あの犬は何を考えていたのだろうか?今となっては分からない

今日、大きな犬を見た。
凄く立派な犬で、その犬はまるで僕に興味もないかのように僕の横を通り過ぎて行った。
飼い主の人は深く帽子をかぶり、手には小さなカバンを持っていた。
多分、あれには犬に関する何かが入っているんだろうな、と犬を飼ったことがない僕は勝手に思っていたが、実際のところはどうなのだろうか。
なんとなくすれ違ったあの大きな犬が気になって、僕はまた振り返ると、交差点の信号で、飼い主の横にぴっしりとくっついて待つ、大きな犬の背中があった。
僕がそれを遠くから見つめていると、犬は先ほど僕に興味など見せないそぶりだったのに、ちらりとその大きな頭をこちらに向けてきた。
飼い主も不思議に思ったのか、その目まで帽子を深くかぶって顔も分からないような程暗い視線をこちらに向けてきた。
僕は、なんとなく恥ずかしくなり、帰路についた。
家に帰って思うのは、どうしてあの犬はこちらを振り向いたのだろうか?という疑問だけだった。
その答えは、もう分からないけれど。